リズム録り(2)
前回の続きで、「リズム録り」の日の後半を紹介します。
◇◇◇13〜14時頃◇◇◇
セッティングが終わると、大抵はドラムから音決めをしていきます。
きちんとマイクなどの回線が生きているかを気にしながら、また、エンジニアからの指示でアウトボードなどをパッチしながら、CueBoxへの返しを作ったり、CueSheetを書いたり、自分の仕事もこなしていきます。
そして、全部の音決めが終わるといよいよ録音になります。
バンドものなど、わりとゆっくりと音決めなどができる場合は別ですが、そのレコーディングの善し悪しが決まりかねない「音決め」の作業を、エンジニアは限られた時間の中でやらなければなりません。
そんな時に、何かトラブルがあったり、アシスタントが適切に且つ迅速に動いてくれないと、精神的にもイラついたり、時間もかかってしまったりで、とても良い仕事はできません。
直接的ではなくても、アシスタントの能力次第で、そのセッションが上手く行くかどうか決まってしまう場合もあります。
◇◇◇14〜18時頃◇◇◇
まずは、ミュージシャンに快適にモニターしてもらう為に、どこに何が返っているのか、CueBoxの説明をします。
そして、モニターのチェックや、テンポのチェックの為に、Click(ドンカマ)に合わせてのテストになるわけですが、その間に、CueBoxへの返りが適切なレベルとバランスで返っているかどうか確認して、問題があったらすぐに対処します。
そして、問題が無ければ、一度テストで録ってみて、それぞれチェックをして、その後、本番の録音になります。
この1〜2回通す間にアシスタントは、譜面を追いながらMTRのカウントをとっていきます。
このカウントがふってある事によって、例えば「間奏」とか、聴きたい場所を直ぐに出す事ができます。
OKテイクが録れたら、各ミュージシャンがチェックをして、部分的に直す作業になります(パンチイン・アウト)。
いざ、録音が始まると、表立って仕切るのは、ディレクターなりプロデューサーだったりしますが、実際にMTRを操作するのはアシスタントなので、アシスタントが作業の流れを握っていると言っても過言ではありません。
それだけに、周りの人の話をきちんと聞いて、作業の流れをきちんと把握しなければなりません。
特にパンチイン・アウトの作業時は、いっせいに言われたりしても(一度には無理な場合は)「じゃあベースの方から」とか、ある程度自分で仕切れないと、自分が舞い上がってしまい、しなくてもいいミスをするハメになったりします。
◇◇◇18〜21時頃◇◇◇
リズムのOKテイクが録れたら、ダビングの作業に移ります。
例えば、ギターのオブリやソロなど、部分的に入るものは、その箇所だけ録っていったりします。
ギターやパーカッションなど、ダビングが終わったら、ラフミックスを録って今日の作業は終了です。
ちょっと気持ちの余裕ができたら、CueSheetに記入漏れや記入ミスがないかチェックしたり、譜面(パート譜)の整理をしたりします。
お客さんに、気持ち良く帰ってもらえるように、また次回も来てもらえるように、最後まで気を抜かずに「お疲れさまでした」と明るく元気な声で送り出します。
その後、明日の準備や、片付けをします。
リズム録りの作業は、録音するという意味では、その楽曲の誕生の時です。
アシスタントの時は、そんな感傷に浸っている暇は無いかも知れませんが・・・。
ある程度、終わりの時間もみえているし、慣れてくると、とても楽しい作業です。

