◇とあるコンサートで感動して・・・(2002/11/23)
たくさんの、レコーディングエンジニアになられた方々の中の一つの例として、自分がエンジニアになろうと思ったきっかけから就職するまでを、簡単にですが書いてみようと思います(何かの参考になれば良いのですが・・・ならないかも・・・)。
父親が仕事の関係(通信関係)で電気関係には強く、テレビなどの簡単な修理とかは自分でやっていたりして、家にハンダゴテなどの工具や、真空管とかガラクタに近い部品とかがあって、子供の頃からそういうものに興味はありました。
小学生の頃は、最近また販売されている「電子ブロック」が流行っていて、欲しくて欲しくて、やっとの思いで安い物を買ってもらってそれで遊んでいました。
中学生の頃、家にステレオがやってきて、オーディオにも興味を持つようになり、音楽も色々聴いていて(主にFMラジオでエアチェックでしたけど・・・)、でも将来はたぶん「町の電気屋さん」にでもなるのかな?なんて思っていました。
音楽を聴くのは好きでしたが、人前で歌を唄うのがいやで、音楽の授業は苦手で成績もあまり良くなく、まして将来、自分が音楽関係の仕事に就くなんて全く想像もしていませんでした。
そんな高校二年生のある日、とあるコンサートを観に行きました。
そんなに広くないホールで、客もまばらで、フォークギター一本の弾き語りだったのですが、なぜか思いっきり感動して(今思うと何にそんなに感動したのか?)、「自分もこういう、人を感動させる仕事がしたい!」と思って、唄う方はムリだから「裏方さん(PA関係)」かなと、漠然と思っていました。
ある日、本屋で「サンレコ」の創刊号を見つけて、読んでいる内に「レコーディングエンジニア」という仕事がある事を知り、「これかな?」と徐々に自分がやりたい事が具体的になってきました。
音楽の授業も苦手だったし、専門的な知識もほとんど無かったし、情報も少なかった(サンレコが一番の情報源)ので「大学に4年行くよりも、音響系の専門学校に2つ行ってたくさん勉強しなければダメだ」と勝手に思い込み、最初は学費があまりかからないように、奨学生制度(昼間は働いて学費を負担してもらう)で、最近なくなった某専門学校の夜間部に行きました。
予定では、2つ学校に行くつもりでしたが、「ま、ここで就職できたらラッキー!かな・・・」という浅はかな考えで、就職試験を受けました。
その試験が思っていたよりもすごくて、書類選考後、筆記試験(一般常識と専門知識)を受けた人が100人以上いて(まず人数の多さにビックリ)、それは何とか通ったのですが、その後の面接で10人くらいの面接官を相手に「マイクの構造上の分類」とか「コンプとリミッターの違い」とか技術的な事を質問されて、緊張も伴って全く答えられず、当然落ちてしまいました(自分の無能さ、実力の無さを思い知らされました)。
レコーディング以外の就職口はあったのですが、どーしても「レコーディングエンジニア」になりたかったので、予定通り、もう一つ1年制の学校に行く事にしました。
その学校の入学試験(一応そういうのがあったんです)で、「童謡『ちょうちょ』のメロを譜面に書く」というのがあって、自分は何も書けなかったのですが、終わってから聞いてみると、まわりの人は何かしら書けたようで、さらに自分の能力の無さに気づいてしまった日でした。
音楽活動はしていなかったどころか、授業も苦手だった自分に比べ、高校や大学でバンドなどをやっていて、宅録やレコーディングの経験まである人たちの中で、当時は「こんな人たちが学生だなんて・・・」と思いつつ、「このままではエンジニアになるなんてムリだ」と、かなりの焦りがありました。
がしかし、1年制なのですぐに就職の時期になり、不安は抱えつつも、やる気はまんまんで、いくつか試験を受けました。
ちなみに前年と同じ所も、学校の推薦もあり受けましたが、やはり面接で落ちてしまいました。
いくつか受けた内の一つが、学校から何人か一緒に受けに行ったのですが、ちょっと遅刻してしまい、さらに、学校からは「面接だけ」と聞いていたのに、会場に行ったらみんな筆記試験を受けているし、さんざんで、でも逆にすぐ後の面接は、リラックスして受けられました。
遅刻もしたし、半ばあきらめていたのですが、幸運にも合格の通知を受けとる事ができました(人生、わからないものです)。
そして、華々しい(とはほど遠い!?)「エンジニア人生」が始まったのです(めでたし、めでたし)。
こんな感じでやっと就職できたのですが、これからエンジニアを目指す人に、「本当にやりたいのならば、多少の障害にめげずに、頑張り通せ」という事と「才能は努力でカバーできる」という事が、少なからず伝われば幸いです。
自分の頃と違い、今は、インターネットとか、各種専門雑誌などで、情報をたくさん得る事が出来ます。
学校に行かなくても、自分でどんどん直接電話したりして、もぐり込んでしまうのも一つの手だと思います。
目標は、「就職する事」ではありません。
その先にある、自分なりの目標を持って、それに向かって頑張って下さい。

